取り込む家
「悪い。実は俺昨日足を痛めてるんだ。できるならあまり動きたくなくてさ」


そう言い、右足をさする。


俺はその言葉に首を傾げた。


ここに来てから数時間は経過しているけれど、そんな事一度も言っていなかった。


「それなら、あたしとマイが買い物してくるね! 車を出さなくてもそんなに遠くないし」


サキがマイの手を握ってそう言った。


サキは明らかにタチバナを避けている様子だ。


しかしユウセイはそれに気が付かない。


ばつが悪そうに頭をかいて「俺も買い物がしたいんだ」と言い出した。
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