取り込む家
その口調はさっきまでのおどけた調子とは違い、真剣そのものだった。


サキはタチバナから視線を外し、小さく頷いただけだった。


「俺たちが別れてから何年経つ?」


タチバナの言葉に俺は目を見開いた。


この2人、過去に付き合っていたのか。


ユウセイはもちろんその事を知らなかったのだろう。


知っていれば2人の愛の巣にタチバナを呼ぶはずがない。


だけどタチバナの方はどうだ?
< 165 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop