取り込む家
タチバナは何度かうなづく。


「あぁ。サキの言う通り病院で何度もあいつの姿を見つけて恐怖心を抱いた。その時初めて警察に相談したんだ。今あいつは俺に近づいちゃいけないことになってる」


「そう……」


サキは大きく息を吐き出した。


サキがタチバナを避けるようにしていたのは、その女の事が恐ろしかったからか。


俺はようやく事態を把握した。


2人には共通の敵がいたわけだ。


2人はその女のせいで別れている。


だけど今は違う。
< 172 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop