取り込む家
タチバナのことを避けているサキに更に近づくタチバナ。


もう少しでキスできそうな距離に俺は息を飲んだ。


ユウセイはまだ帰ってこないのか!?


耳を澄ませてみてもユウセイの車の音は聞こえて来ない。


このままサキが襲われるのを見ている事はできなくて、俺は咄嗟に本田に近づいた。


最近は音を立てないように気をつけていたけれど、今は状況が違う。


俺は本棚に体当たりをして数冊の本を棚から落とした。


分厚い本が何冊も落ちて、ドサドサと音を立てる。


埃が舞い上がり軽くむせた。


俺はすぐに穴を確認した。


タチバナとサキが天井を見上げている。
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