取り込む家
この向こう側にどれだけ大きな動物がいるのか。


考えただけで憂鬱な気分になった。


鈴を鳴らすだけじゃ効果は薄かったようだ。


「はい、どうぞ」


そうこうしている間に真衣ちゃんがパンを更に並べて持って来てくれた。


大きなパンはちゃんとカットされて食べやすい大きさになっている。


相手を思いやる気持ちを持っている子なんだろうな。


「咲、遅いね」


真衣ちゃんが誰ともなくそう言った。


「すぐに戻って来ると思うんだけどな」
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