取り込む家
俺は大根に箸を伸ばした。


そう言えばここに来てから煮物なんて食べてないな、とふと思う。


咲は料理が苦手で、それなりに頑張ってくれているけれど煮物にはまだチャレンジしていない。


大根をひと口食べると懐かしい味がして、思わず微笑んだ。


「おいしいですか?」


「あぁ、とっても。なんか母親の料理を思い出す」


そう言うと、真衣ちゃんは頬を膨らませて俺を見た。


「悪い意味じゃなくて、いい意味だよ?」


慌ててそう言うと、真衣ちゃんは納得したようにほほ笑んだ。
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