取り込む家
せっかくいいところだったのに、野生動物が邪魔しやがって。


そう思い軽く舌打ちをした。


「屋根裏になにかいるの?」


俺が天井を見上げていると真衣ちゃんがそう聞いて来た。


「あぁ、どうやら動物が住みついてるみたいなんだ」


「大きな動物だね?」


「そうなんだよ。追い出したと思ったんだけどな」


そう言い、俺は乱暴に自分の頭をかいた。


物音はもう聞こえてこないけれど、もうそんな雰囲気でもない。


真衣ちゃんは乱れた服を直し、不安げな表情で天井を見上げている。


俺は思わず舌打ちをした。


いいところだったのに。
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