取り込む家
「ねぇ、これ、なに?」


舌打ちをする俺に気が付かず、真衣ちゃんは天井を指さしてそう聞いて来た。


「なに?」


俺は真衣ちゃんの指の先に視線を向ける。


するとそこには小さな穴が空いていたのだ。


言われないと気が付かないくらい小さな小さな穴。


「古い家だからなぁ」


俺はため息交じりにそう言った。


「ここから除けば動物が見えるんじゃない?」


「そうかもしれないけど……」


あんな大きな物音を立てている動物だ。
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