取り込む家
と、息を吸い込んだと同時に俺は脚立から転がり落ちていた。


心臓が鋼のように早く打っているのを感じる。


体中から嫌な汗が噴き出していて、真衣ちゃんがなにか話しかけてくるけれどそれに答えることもできなかった。


人間……だったよな?


それとも、人間の目によく似た目を持つ動物だったのか?


俺は頭の中で何度もさっきの目玉を思い出す。


ギョロリと動いて黒目が俺の姿を捕らえた瞬間が再生され、強く身震いをした。

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