取り込む家
ホームパーティー~優生サイド~
家を見た時の咲の反応に俺は満足していた。


家を借りたと言う話を今までずっと隠していた甲斐があったものだ。


ブルーの屋根の小さな家は、咲ならすぐに気に入ってくれると思っていた。


その辺のぼろアパートで貧乏学生が同棲すると思っていた咲は、それはもう大喜びだった。


小さいけれど部屋数はあるし、大きなキッチンとお風呂もついている。


家の外観に合わせて優しいクリーム色で統一されている室内は、俺もお気に入りだった。


「さて、とりあえず腹ごしらえをしようか」


昼に待ち合わせをしてから何も食べていなかったので、俺がそう提案した。


「でも、まだなにも揃ってないし」


咲が慌てたようにそう言う。
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