取り込む家
「俺は……手足を切断されて、声も奪われて屋根裏に閉じ込められてたんだ」


俺の言葉に看護師が顔をしかめる。


「なにそれ? そんな怖い夢を見ていたの?」


「……夢?」


「そうよ。だって金光さんは一か月も眠っていたんだから」


……夢。


俺は夢の中で常山翔也という人間になり、本当の自分……金光優生の過去の想い出を見ていたということか?


手足が使えず声もでない。


それは俺がずっと眠ったままだったから……?


記憶が混乱し、頭が痛い。
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