取り込む家
外は驚くほどの日本晴れだった。


丘の上から見る空はとても青く、風もよく通って気持ちがいい。


丘の下へと続く階段を見おろすと街を一望する事ができた。


遠くで電車が通っているのが見える。


自分たちの通っている大学も見えるし、今日咲と待ち合わせをした公園も見える。


「ここはいい場所だね」


咲はさっそく気に入ってくれたようで、ため息交じりにそう言った。


その表情は明るい。


俺は咲の手を握りなおし、お目当てのパン屋へと向かったのだった。
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