取り込む家
昼間はその程度の変化だったが、夜が近づいてくると家の中は一気に騒がしさに包まれた。


次々と家の中に入って来る足音に驚き、俺はまた穴から部屋の様子を確認した。


見ると、昼間は何もなくてガランとしていた部屋に大きなテーブルが置かれ、その上にピザやお菓子などといったものがズラリと並べられているのだ。


「ここが2人の新居?」


「新居だなんて……」


女性2人の話声が、今度はハッキリと聞こえて来る。


「いいなぁお前ら、幸せそうで!」


「咲ちゃん、なんで俺と付き合わなかったんだよぉ」


今度は男の声だ。


俺はこの家を訪れた人数を冷静に数えていった。


少なくても15人ほどが集まってきている。
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