取り込む家
物音~優生サイド~
リビングの床掃除を終えた頃、丁度荷物が届き始めていた。


綺麗に磨かれたリビングにはクリーム色のソファが置かれた。


「やっぱり、これを選んでよかったね」


咲は自分が選んだ家具にご満悦の様子だ。


中古ショップで格安で手に入れた家具ばかりだけれど、それらが搬入されると途端に生活感が出て来る。


「それっぽくなってきたなぁ」


家具を見回し、俺はそう呟いた。


「本当だね。なんだかおままごとみたいだけど」


「最初はそんなもんだろ」


俺はそう言い、咲の肩を引き寄せてキスをした。


最初はおままごとでもいい。


だんだんと家族という形が出来上がってくれば、それで満足だった。


「ちょっとタバコ」


俺はそう言い、ポケットからタバコとライターを取り出した。
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