取り込む家
それでも、それがあたしの両親の愛情表現なのだから仕方がない。


「今から部屋の写真を撮って、送るよ」


あたしがそう言うと、優生は眉を下げて心配そうな表情になった。


両親はあたしが一軒家に暮らすなんて思ってもいない事だろう。


「大丈夫かな? 俺、勝手に家なんて借りちゃって」


「大丈夫だよ優生。あたしこの家とても気に入ってるんだから」


あたしは不安そうな優生の前髪をかき上げてそう言った。


さらりとした綺麗な髪があたしの指先から抜けていく。


あたしはまだ心配そうな顔をしている優生から離れ、リビングの様子を写真に撮った。


大きな窓から庭が見えていて、これだけで一軒家だとわかる一枚が撮れた。


両親に写真を送る瞬間、自分が大人になったような、そんな気がしたのだった
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