取り込む家
相変わらず屋根裏に1人だし、なにがなんだかサッパリわからない状況に変わりない。


だけどこの家に彼等が来てからは明らかに変化していた。


希望が生まれ、恐怖心が和らいでいたのだ。


それが1人取り残された事で再び湧き上がってきてしまった。


俺は気分を変えるため、隣の部屋へ移動した。


この部屋は食料庫と勝手に名付けている。


冷凍庫の中の食品はどれもまともは食品ばかりで、口に入れても平気だった。


俺は冷凍チャーハンを口でくわえて引きずり出し、封を噛み千切った。


冷凍されたままの固い米がバラバラと床に落ちる。


俺は袋に舌を入れてそれを食べた。


ガリガリと音を響かせ、無理やり派手かみ砕き、固形のまま飲みこんだ。
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