取り込む家
嫌な予感が胸を渦巻く。


俺をここへ運んできた人間は、必ずどこからか外へ出ているはずだ。


出口はあるに決まっている。


そう思い、鈍く打ち続けている心音を聞きながら俺は隣の部屋へと戻った。


部屋の広さは6畳ほどで、中央にベッド、その右手に冷凍庫があった部屋へ続くドアがあり、逆側には本棚がある。


俺は本棚の前まで這いずって移動をした。


本棚の中には沢山の本が入れられていて、それはすべて俺が大好きな推理小説だった。


俺はうつ伏せの状態のまま壁や床を確認して行った。


どこかに扉があるはずだ。


隠し扉になっているのかもしれない。


しかし、どれだけ探し回ってみても扉らしきものは見当たらなかった。


だとしたら、やっぱりベッドの下か冷凍庫の下にあるのかもしれない。
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