取り込む家
「可能性はゼロじゃないなぁ……」


優生は顎に指を当て、考える顔をしながらそう言った。


「やめてよ。ヘビと一緒に暮らすなんて嫌」


しかめっ面をしてそう言うと、優生が笑い声をあげた。


「ヘビは守り神なんだぞ? でもまぁ、咲がそこまで嫌がるなら家から出て行ってもらわないとな」


「追い出せるの?」


「少し音を立てれば、きっと出ていくよ」


優生の言葉にあたしはホッと胸をなで下ろしたのだった。
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