取り込む家
「次の休みまでには荷物も片付くと思うし」


「うん。もちろんだよ」


頷きながらも先の顔には緊張の色が見られていた。


やっぱり、俺の両親と会うのは緊張するみたいだ。


「咲が嫌なら断るけど?」


一応、聞いてみる。


「全然! 嫌なんかじゃないよ!!」


咲が慌てて左右に首をふりながらそう言った。


そう言うと思っていた。


嫌でも素直に嫌と言えるわけがない状況だもんな。


俺が先の立場だとしても、嫌だなんて言えるわけがなかった。
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