取り込む家
立花に咲を紹介すればまた俺がどつかれるんだろうし。


「ブサイクなのか?」


不意に言われた言葉に、すぐには反応ができなかった。


今こいつ、なんて言った?


「お前の彼女はブサイクなのか?」


瞬きを繰り返していると、ご丁寧に繰り返しやがった。


俺は怒りと呼べる感情が胸の奥からせりあがって来るのを感じて、立花を睨み付けた。


しかし立花はとても真剣な表情で俺を見返してくる。


どうやら本気でそんな質問をいているようだ。


「……わかった。今日は飲もう。その時に彼女の写真を見せる」


俺がそう言うと、立花は子供の用に両手を上げて喜んだのだった。

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