取り込む家
思わず頬がポッと熱を帯びるのを感じる。


すると優生が上半身を起こし、あたしの体を抱きしめて来た。


お酒の匂いが漂ってくる。


「なんだよ、立花に好かれて嬉しいのか?」


拗ねたような優生の声が聞こえて来て、あたしは笑ってしまった。


「そんなことないよ」


「本当かよ? 顔が赤くなったぞ?」


「優生の方がずっと赤いよ?」


そっと身を離して優生の頬を両手で包んだ。


熱が出た時のように火照っている。


あたしの手を優生の手が包み込む。


「布団に移動する?」


「今日はここでいい」


優生はそう言うと、あたしの体を引き寄せ、狭いソファに2人で寝転んだのだった。

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