取り込む家
☆☆☆

狭いスペースで眠れるわけがないと思っていたけれど、気が付けばあたしは眠りについてしまっていた。


優生の温もりと規則正しい呼吸音を聞いていると、とても安心する。


窓の外が明るくなりはじめ、鳥の声が聞こえて来てもあたしは起きなかった。


もう少し眠っていたい。


そう思い、優生の体に抱き着くようにして時間が経過するのを待っていた。


その時だった。


ズッ……ズッ……。


と、なにかが床を這っているような音が聞こえて来てあたしは目を開けた。
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