取り込む家
重たい瞼を無理やり押し上げ、部屋の中を見回す。


特に変わった所はない。


気のせいかな。


そう思って再び目を閉じる。


するとまた聞こえて来る音。


あたしは二度寝することができなくなってため息を吐き出した。


「おはよう咲」


その声に視線を移動させると、優生もさっきの音で起きてしまっていた。


「おはよう」


あたしはそう返事をして優生の頬にキスをする。


優生はまだお酒が残っているのか、瞼がとても重たそうだ。


「さっきの音、屋根裏からだな」


優生がそう言い、ソファに寝転んだまま天井を見つめた。


あたしも同じように天井を見上げる。

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