終わらない旅
きらびやかな水天
沈痛な表情で覗く哀傷の化身が
空っぽの眼差しに隠れていた


その信念はいつ失われたのだろうと
今日もまた考える


取り戻したくて無理をしすぎた
浅はかだった

不安定な気持ちに嘘ついて

ひとつ
ふたつ

次々と消え入る存在へ

何もしてやれなかった



年を重ねれば
いずれ自分という人に出逢う

だからこそ
感情を捨てるんだ


失わないためじゃなく
逃がさないために

錆びた故郷で思う


輝きは

誰の所へ旅立った
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