2人の王女と2人の騎士
「アレン様がセラフィーナ様のためにとご用意なさったのです。こんなに素敵なお部屋とは…愛されてらっしゃるのですね」
「そ、そうなのかな…」
はっきり言ってこんな部屋私の趣味じゃないし、全体的にギラギラしてて落ち着かないけど…とりあえず話は合わせておこうと思った。
「結婚式の作法についてはテーブルに置いてある本を読んでいただければ。詳しい事は明日の朝お教え致します」
テーブルに目をやると分厚い本があった。
それだけで読む気が失せる…。
まあ作法なんてバカ真面目に覚える必要はないはず。
そう思いながらポケットにしまってある紙に触れた。
「この後は夕食をとっていただいて、それからはお休みになって下さい。明日は早朝から準備がございますので」
「分かったわ」
元々早起きは苦手だけど、レイスフォールに来るまでの生活で慣れてしまったからどうって事ない。
「…ねぇ、もしかして食事はアレン王子と?」
「申し訳ございませんが夕食はお1人でとっていただきます。アレン様は長い間城を空けられたので、ご公務が溜まっておられるとの事で…」
「大国の王子は大変ね…。残念だわ」
口ではそう言っているけど、内心ガッツポーズを決めた。