2人の王女と2人の騎士
「あー疲れたー!」
私は鬼クライドの鬼レッスンを終えてベッドにダイブした。ちなみに私のではない。
「お疲れさま」
ここはティアの部屋。
あぁ天使様、女神様。
私の癒しティアルーシェ姉様…。
彼女といると今日の疲れが吹き飛ぶようだ。
「どうなの?クライド先生の授業は」
「もうスパルタすぎるの!一緒にいれるのは嬉しいけどさ」
ティアは微笑みながら私の話を聞いている。
姉妹でありながら親友のような間柄の私たち。母様は違うけどお互いをセラ、ティアと呼び合い、気心知れた仲なのだ。もちろん私がクライドの事を好きなのは知っている。
「楽しそうね。好きな人に素直でいれるのはすごい事だわ」
「だってさ、そのうち私たちはどこかの王子と結婚させられるでしょ?今のうちだよ…恋できるのは」
父様、国王陛下はすごく厳しい人。王子と結婚しなさいと昔から言われている。
「…嫌だけどね」
既に私はアレン王子に狙われている。このまま逃げていてもいつか逃げられなく時が来るのかな…。
「ってだめね。そんな事より今を大事にしないと」
「…そうね。明日も授業があるのでしょう?頑張ってね」
「ありがとう」
これも逃げているのかもしれないけど、まだ深く考えなくてもいいと軽く思っていた。
「そろそろ戻るね、おやすみ。…あ、ベッド汚してごめんね!」
「大丈夫よ、おやすみなさい」
ティアに軽く手を振って、早歩きで部屋に戻る。今日の復習をやらなくては…。本当は小走りしたいけど侍女たちにはしたないと怒られてしまうから我慢したのだった。