2人の王女と2人の騎士
「あなたは恋をするのが下手なのね」
「え…?」
「セラ…?」
イグニスとアレン王子は揃って私を見る。
「人を好きになっても力尽くで奪ってはいけないわ。ものではないのだし、そんな事をしたら相手はあなたの事を嫌いになってしまう。少しずつ歩み寄るという事、知らなかっただけなのね。これに懲りたら2度と同じ事をしないと約束して」
「セラフィーナ様…それでは…!」
私はジェシカを見つめて頷いた。
そして再びアレン王子の瞳を見つめる。
「アレン王子を許します。これからはあなたを愛してくれる人たちの事、大切にして下さいね」
私が微笑むと彼は大粒の涙を流して、
「申し訳ありませんでした…」
と謝ったのだった。