2人の王女と2人の騎士


数日後────。
鬼教師クライドのおかげでだいぶ知識が身についてきた。珍しく勉強が長続きしていると城の皆からも褒められる事が増えて何だか気分が良い。




「随分とご機嫌だね」

「兄様!」



彼は私の実の兄で次期国王のベルナール。穏やかで優しい兄様だ。


「聞いてるよ、クライドがセラフィーナの先生をしているって」

「そうなの。少しは知的な王女に見えるでしょ?」

「うん、セラフィーナはセラフィーナだね」



えっと…それは良い意味に捉えていいのだろうか。



「ところでその格好はもしかして」

「そう、国境付近の見回りに行くんだ」

「また、なの…」



このところ兄様はよく城を空ける。噂によると隣国の動きが怪しいらしい。



「戦争なんて起きたら大変だからね。じゃあ、行ってくる」

「いってらっしゃい、兄様…」




毎回あの背中を見送る時は心配になる。
私よりお嫁さんであるエリナ姉様や甥っ子のレオの方が心配なんだろうけど。

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