2人の王女と2人の騎士




「私もね、イグニスが好きよ。…大好き」



「セラ…!」




イグニスは一瞬驚いて、でもすぐに満面の笑みを浮かべて私を抱きしめた。



「ちょっと!苦しいってば!」


「仕方ないだろ!…すっげー嬉しいんだから」


「…もう」



いきなり強く抱きしめられて苦しかったけど、今はその苦しさが心地良かった。

私もイグニスの背中に手を回して温もりを感じる。


鍛え上げられた無駄のない筋肉、広い背中…


もう幼い頃の頼りない背中ではない。

私を守ってくれた強い人なんだ…。



そしてお互いの温もりを確かめ合うと、どちらからともなく唇を重ね合わせた。

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