2人の王女と2人の騎士
「陛下、第2騎士団無事帰還致しました」
私たちの後ろからイグニスが膝をついて報告する。
「良くやったイグニスよ。褒美を取らせよう」
「いえ、それよりもお願いがあるのです。こちらへ来ていただけませんか?…セラも」
そう言うと広間の奥に連れてこられた。
そこにいたのはイグニスの両親とクライドの父様である大臣が待っていた。イグニスの両親は普段王都にいなくてあまり会う事もないから久しぶりな気がする。
私と父様に気付くと、微笑んで迎えてくれた。
「陛下、姫様、お久しぶりでございます」
「ご無事でなによりです」
優しく微笑む姿は昔と何1つ変わっていない。
私も応えるように笑いかけた。
「バートレット家の2人がいると思ったら陛下に姫様までお呼び出しするとは、一体何のつもりかね?」
大臣は呆れ顔でイグニスに問い詰めた。
「そうよ。私たちも突然王都に呼ばれるんだもの。驚いているわ」
「そうなのイグニス?」
皆の視線が彼に集まる。
するとイグニスは突然床に膝をついて、頭を下げてしまった。
何をしているのかと私たちは驚きを隠せない。