2人の王女と2人の騎士
エピローグ
────あれから2年の月日が経った。
私たち4人は相変わらず穏やかな日々を過ごしていた。
でもこの2年で変わったことが少しある。
まずは…
「デュオン元気そうね」
「ええ。おかげさまで」
ティアが母親になった事。
男の子が生まれて、毎日忙しく過ごしているみたい。
デュオンを見つめる横顔は、母としての母性溢れる穏やかな眼差しだ。
「そういえば明日の結婚式、アレン様も来られるのでしょう?」
「うん、私が呼んだの」
イグニスと婚約してから2年、ようやくイグニスと夫婦になり、王女の身分から公爵夫人となる日が来る。
レイスフォールとはあの後国交が断絶されていたけど、今回の結婚式に伴って回復される事になった。
残念な事にレイスフォール国王…アレン王子の父様は亡くなってしまったという。
だから今、レイスフォールの王はアレン王子…いや、アレン陛下だ。
噂によるとアレン陛下は侍女であったジェシカと結婚して、争いを好まなくなり、別人のように生まれ変わったと聞いている。
あんなに嫌っていたのに、明日会えるのが少し楽しみな私がいた。