2人の王女と2人の騎士
あの後兄様と別れ、今日もクライドの授業を受けていた。
兄様は今頃どこにいるのだろうか、などと考えながら私はただボーッと空を見上げていた。
「今日はやけに静かだな」
「そうかな。何でもな…」
うん?聞き間違いかな?
今クライドの口調が…。
「なんて顔しているんだ。ほら、続きやるぞ」
「え、うん。あの…クライド、その話し方…」
「あぁ…。まあ根を上げずに頑張ってるお姫様にご褒美ってとこだな」
「クライド…!」
「でも周りの目がある時は戻すから」
それでも全然いい!
今まで努力してきた事は無駄じゃなかったと感じる。それにクライドとの距離が縮まった気がしてとても嬉しかった。彼の笑顔が見られるなら何だって出来る。そんなやる気がみなぎっていた。