2人の王女と2人の騎士



「随分楽しそうだな。何を話していたんだ?」


「クライド!」


私たちの元にクライドがやって来た。

彼は2年前とあまり変わっていないかな。
あ、いい意味で。

でもデュオンが生まれてからは角がなくなった感じがする。怒鳴る事も少なくなったかも。

息子を溺愛する良いお父さんって感じ。




「明日の結婚式の話をしていたのよ」

「そうそう。あ!ねぇクライド、明日からのお願いがあるの」

「お願い…?」

「うん。明日からは皆の前でもよそよそしい敬語は使わないでね。もう王女じゃなくなるんだし、家族じゃない」

「まあ確かに…善処する」


本当はティアが結婚してから私とクライドも家族になったのだけど、私が王女だからと頑なに敬語を使い続けていたのだ。

こうしてイグニスと結婚する事により、同じ身分として接してもらえる。

それが何だか嬉しく思っていた。


< 130 / 131 >

この作品をシェア

pagetop