2人の王女と2人の騎士
ティアと別れて、その後は城内から外へ出た。
真っ直ぐに向かったのは兵のいる訓練場。
訓練中だからか大きな声と剣と剣がぶつかるキンとした音が聞こえる。
「イグニス、かくまって!」
「え!?セラ!?」
私がいきなり現れて、急に腕にしがみつくものだからとても驚いているようだ。
彼は幼なじみの1人、イグニス・バートレット。
私と同い年の16才でファルサリアの名門バートレット公爵家の1人息子だ。金色の髪にサファイアブルーの瞳が彼の明るい性格を表している。
「お前何でここにいるんだよ」
「いいから早く!見つかったらいけないの」
そう言うとイグニスは武器がしまってある小屋に私を連れて行ってくれた。金属の錆びた臭いが充満していて、長時間いるのには辛い所だけど文句は言ってられない。
「いい?誰か来ても私の居場所教えないでね」
「はぁ。一体何だっていうんだよ」
「…あ、来た!」
私はある人物を発見すると小屋の扉を閉めた。
心臓がドキドキと、鼓動が早くなっていくのが分かる。どうかイグニスがうまく話を合わせられますようにと心の中で願った。