2人の王女と2人の騎士
「ティアと一緒に寝るのも久しぶりね」
「そうね。前みたいにセラの寝相が悪くなければいいのだけど」
「あ、あはは…」
完全に否定出来ないのが申し訳ない…!
それにしても私たちは姉妹なのにどうしてこうも体型が違うのだろう。胸は大きいし、ウエストは細いし、身長も高い。ローズマリー様の遺伝なのかな…。
改めて自分の体を見てため息が出る。
母様はスタイルが良い方だから、これは完全に父様似だ。髪色や瞳の他に父親の遺伝まで受け継いでしまうとは、まさしく生き写しではないか。
…もしかしてクライドはティアのような美人が好みなのかもしれない。
私が母様のスタイルを受け継いでいれば、 また違っていたのかもなと考えてみたりした。
でも不思議と羨ましいなんて思わない。
もう結構吹っ切れているのだと感じた。
「どうしたのよ?そんなにじろじろ見て」
「いや、その豊かな胸にはどのくらいの栄養が詰まってるのかなと…」
「な、何言い出すの…ってきゃあ!」
あー1回確かめてみたかったんだよね。
予想よりも…大きいし柔らかい。
「それ以上触るなら本気で怒るわよ?」
「ごめんごめん。もうしないわ」
ティアを本気で怒らせるととてつもなく恐ろしい。クライドの説教くらい、もしくはそれ以上の凄みがある。
本当に似たもの同士なんだから。
「さ、もう寝ましょう。次触ったらどうなるか…分かるわよね?」
「もう触らないから!大丈夫だから!」
完全に警戒モードに入ってしまったようだ。
ベッドに入るとシーツが少し冷たかったので、暖を求めるようにティアに寄り添う。
もちろん警戒スイッチを押さないように。
「おやすみ…姉様」
「姉様だなんて。…おやすみなさい、セラ」
ティアの良い香りに包まれながら眠りにつくのだった。