2人の王女と2人の騎士

1週間で私の人生とファルサリアの未来が決まってしまう。決断するにはあまりにも短い時間。


部屋に閉じ篭っていても答えは出ない。
大好きな剣を振っても出ない。
気分転換に庭を散歩しても出ない。


アレン王子が帰って天気が回復し、中庭はこんなにも日差しが降り注いでいるのに、私の心には大雨が降っているよう…なんてね。

乾いた笑みを浮かべてはため息をつく、そんな事を繰り返しているだけだった。






「セラー!随分探したわよ」

「ティア?」



息を切らしながら駆け寄るティア。
私がいろんな所を転々としているからやっと会えたようだった。






「話聞いたわよ。…セラはどう思っているの?」

「こんな事言ってしまったら、王女として失格だろうけど…迷ってる」

「そうよね…。私がそうだったように、セラはイグニスの事で迷っているのでしょう?」

「な、何でそれを!」


誰にも気づかれていないと思ったのに。
やっぱりティアには分かってしまうのだろうか。



「私に素直になれと言ったのはセラよ。だから私も同じ言葉を言いたいわ。…でも今回ばかりは、そうもいかないわよね」




そうなの。

私個人の思いで決めてしまえば、取り返しのつかない事になってしまう。





「良く…考えてみるわ」





これが、王女の立場ながら自由な生活を送ってきた私に対しての罰ならば受け入れよう。

でもレイスフォール側にだって非はあるはずだ。

果たして女神はどちらに微笑むのだろうか…。

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