2人の王女と2人の騎士
それなのに、こんなにも悲しむセラを差し置いて自分はティアが好きだと言うクライドが腹立たしく感じた。
一途に思いを貫いていたセラの気持ちが報われない…それは俺が納得いかなかったのだ。
クライドには絶対言うなと散々釘を刺されていたけど、セラのためにもクライドのためにもと思って言ってしまった。
だからどうなってほしいとかは思っていなかったけど、多少はクライドの心に何かしら響いたはずだ。
さて、こうして俺にもチャンスが巡ってきた訳だが、とても大きな問題が立ちはだかっている。
ごちゃごちゃ考えるのが苦手な俺は、いつも感情の赴くままに行動して来た。
だけど…俺ももう物分かりのない子どもではない。
だからこうして悪いなりの頭を使って考えるが、良い案が浮かぶ訳でもなく、ただただ夜が更けていくのだった。