2人の王女と2人の騎士
「姫様、手が止まっております」
「は、はいぃ!」
ときめく時間なんてとんでもない。
大量の課題をひたすら解いていくだけのガチ勉強。
こんなハードな勉強した事ない…。
「…それでは少し休憩しましょう」
「あ、ありがたき幸せ…」
私はイスの背もたれに思いっきり寄りかかり、目を閉じると疲れがスーッと抜けていった。
私はこんなにも疲れているのに、クライドは涼しい顔で私が解いた問題の答え合わせをしている。
横顔だけでもやっぱりかっこいい。
長いまつ毛にくっきりとした鼻筋。
見た目だけじゃなくて頭も良い憧れの幼なじみ…。
「全部だめです」
「え、嘘」
慌ててイスから立ち上がると手元にある答案用紙を見た。
「あはは…ほんとね」
見事にバツマークがついているのを見て、苦笑いしか出てこない。
「きちんと話は聞いていましたか?」
笑っているけど全然笑っていない。
まるで悪魔だ。背後に赤い炎が見えるようだ…!