2人の王女と2人の騎士


何か良い案はないかと考えているいると、クライドが閃いたように顔を上げた。


「…これに賭けるしかないか」


表情から察するに最善策とは言えないようだ。


「どんな作戦だ?」


こういうのは俺ではなく、クライドに任せるのが1番。クライドの考えた事なら素直に信じてすぐに行動に移せる。






「…イグニス、お前たちは今のうちに国境を抜けろ。ワイアット軍が来るまでは俺たちが食い止める」



「は!?それ無謀だろ!」


ただえさえ少ない兵の数なのに、俺たちまでいなくなったらまともに太刀打ち出来ないだろう。
クライドの案とはいえ、俺は賛同しかねる。




「一刻も早くセラフィーナ姫を助けなければならないし、ここでもたもたしていてはアレン王子に何をされるか分からない」

「それじゃあクライドたちがやられた場合、レイスフォール軍は王都に向かってしまうだろ!」





「見くびられたものだな。俺を誰だと思っている?」





そう言うクライドの顔は自信に溢れた表情をしていた。月の光に照らされた姿はクライドの異名、月の第1騎士団長の名を思い出させる。

確かに数では圧倒的に不利だが、クライドはそう…ファルサリア1と言われる剣の腕前を持っているのだ。




「…絶対死ぬんじゃねぇぞ」


「誰に向かって言っている。お前こそセラフィーナ姫を頼む」


「おう」

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