FlyFree
今どき売りなんて流行んないって。

そんな事解ってる。

『絵理ちゃん、今日は楽しかったよ』

でもやめられない。

やめた後の事がどうしても想像できない……




《シュッ シュッ》

『……点かない』

愛用のジッポはガス欠。
煙草は残り2本。

『買いにいくのだる〜』

ガードレールにもたれ掛かって空を見上げると綺麗な星が見えた。

でもまぁ、私星なんて好きじゃないけどね。


『女の子が煙草なんて似合わないよ?』

すると突然、男が横に座って声をかけてきた。

男は少し長めの金髪にスーツを着くずした格好。

『ナンパ? キャッチ?』

どっちもお断りだけど。

『キャッチの方。 まぁ、君には声掛ける予定じゃなかったんだけどね』

『失礼なの。 何で?』

『だって高校生でしょ?』

自分だってどう見ても若そうなのに、妙に大人ぶってくる。

そこが妙に腹がたつ。
ホストのくせにって。

『高校生じゃないよ。 行ってないもん』

でもホストかぁ。
顔的には全然ありだけど、買ってまで女に飢えてないんだろうなぁ。

って事は、作戦Bかな。

『ねぇ。 暇してるなら私とエッチしない?』

逆ナンで油断させて財布の中身を盗る。
私が勝手に作戦Bと名付けた悪事だ。

『ええよ? ホテル行く?』

男はそう行って口角を上げた。
< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop