sweet fruit
浅木くんは、私の頭を撫でて教室に向かって歩き出した。
そんな浅木くんをためらいながらも引き止めた。
『…あの!!』
すると浅木くんは振り返ってくれた。
『どうした?』
優しい声で聞いてくる。
今度は私がちゃんと言わなきゃ!スカートをギュッと握りしめる。
『付き合うとか、そういうのは無理だけど………
これからも友達でいてくれる?』
私はこの言葉だけで精一杯。
そんな私に浅木くんは
『もちろん!』
って言って笑ってくれた。
私は浅木くんが去った後、
『よかったぁ…』
と呟きながら、へなへなと地面に座りこんだ。