sweet fruit
『ちょっ!こっち見んじゃないわよ!!』
私の頭を撫でながら、気の強い未那ちゃんは見ている人に向かって叫んだ。
『グスッ…ヒクッ…』
『もぉ、瑠美もこんぐらいで泣かないの』
『だってぇ…グスッ…』
未那ちゃんは呆れたようにため息をつく。
『…で、今日作ったお弁当はちゃんとしたお弁当なの?』
私はコクンと頷く。
涙がやっと止まった。
『朝早く起きて、作ったの…でもね、お母さんに見つかって…。』
『ん?じゃぁ、そのお弁当は瑠美のお母さんが作ったの?』
“ううん”と言って首をふる。
『半分が私で半分がお母さん…』