高嶺のよわしくん





「ねー見た見たー?掲示板!」

「テストの結果でしょ?見たよー!」

「やっぱり今回も剛くんが一位だったね!」

「「「「おめでとうー!」」」」










「・・・どうも。」






窓際、一番後ろの特等席。
そこに座る白鳥剛は、自分を囲うようにして群がる女子達に素っ気ない返事をした。


「白鳥くん、相変わらずクールだよねー////」

「そこがまたかっこいいよねーっ////」


少し離れた席に座る女子達も、こちらをチラチラと確認しながら、自分の噂話で盛り上がってる。

剛はいつも通り気付かないふりをして頬杖をつき、窓の外のなんてことのない景色に目をやった。


そして、ふと昔のことを思い出した。

そういえば小学校の美術の授業で『空の絵』を描かされたことがあった。
あのとき確か先生は「筆を倒してトントンしながら塗りましょう」とか言ってたっけ。

色んな青を沢山重ねてマダラ模様の空が出来上がったときに、先生はとても褒めてくれたし、コンクールに入賞もしたんだっけな?


でも本当の夏空はそんな複雑な色はしていない。

目の前に広がるのは雲ひとつない
ただただ一色の青い空だ。
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