私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「IWATUKIデパートの御曹司は、税金対策のために不細工な妻をもらたって書かれるのは嬉しくない?」
ほら、答えなさいよ。
そんな事ない、君は美人だよって、嘘ついてなぐさめてごらんなさいよ。
彼は、真剣に私を見つめてる。
「断っておくけど、俺は君のこと、不細工だって思ってない」
「変ないい方は止めて。私、自分のことは分かってるわ。
きれいだと思ったことはないけれど。不細工だと思ったこともない」
「ん、そうだろうね」
そうだねですって?
まあ、その通りだけど。
「何よそれ、不細工じゃないよ、きれいだよって言ってくれないの?」
「俺もウソを付けないからね。君は、不細工じゃなけど美人ではない」
「悪かったわね。美人じゃなくて」
「奈央、俺は、美人じゃないと結婚しちゃダメなのか?」
「そんな事言うつもりなんてないわ。
でも、あなたは、私のことを物足りないと思ってる。
周囲が認めるような美人じゃない妻をもらうと、どう書かれるのか不安だから公にしない方がいいと思っているのよ。
だって、世間はあなたの伴侶に美人を求めるもの」
彼は、ぶるっと体を振るわせて、非を認めた。
「私が美人だったら、喜んで結婚したことを周囲に報告するでしょう?」
「そうだね。そういう面もあるのは確かだ。
でも、それは、正しくない。俺は美人と結婚したいわけじゃない。
美人じゃなくても君でいいって言ってるのに、それでも俺は、どこかの美人と結婚しなきゃいのかい?」
「みんなあなたに期待するわよ。私と結婚したら、周りをがっかりさせるわよ」
「その期待って、俺にとってすごく迷惑だって思った事ない?」