私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「えっと……」どういう意味?

「ずっとそうだったんだ。俺の立場を考えると人並みの努力では足りないって、そういわれ続けて来た。
そんなのクソくらえだ。誰だっていいだろう?そんな世間の噂になんかに惑わされるなよ」

「あの、高陽さん……」

「分かったね。人の望みだとか噂だとか、そんなものはどうでもいい。
俺は君と結婚したかった。分かってくれた?」

彼は、私の体を引き寄せて、キスをする。

何か、変な方向に話が進んでいってる。

キスは、最高だけど。

これに答えてしまえば、彼の思うつぼになる。

がんばれ、イケメンにとろけるようなキスされても、うろたえるな。

石になれ。

私は、彼にされるままになってるけど、キスには応えなかった。

「どうしたの?これだけ説明してもダメなの?」

彼は、許しを請うようにじっと見つめてくる。

ああああ

お願いそんなに見ないで。
理性なんて吹っ飛びそう。

その視線に耐えられなくなる。

「いえ。違うの。そんなに近くで見られると……」

「見られると、何?」


「恥ずかしいの」

「はあ?」

「体を見られるのが、死ぬほど恥ずかしい……」

「な、なに言ってんの?今さら」

「だって、今まであなたと噂になったっ女性って。みんなモデルみたいにきれいなんだもの」

それに比べられると、きっと百年の恋だって冷めてしまう。
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