私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「だから、それがどうしたっていうの?」
「だって、あなた。私を見たらがっかりするんじゃないかと思って」
だから、せめて半年ほど体を引き締めてから。
見せられるような体つきになってから。
「がっかりって、それが今まで拒んでた理由?」
「はい」
「俺のこと、嫌ってるとか、怒ってるんじゃなくて?」
「はい」
「嫌ってるんじゃないの?」
「ええ」
「じゃあ、何でそんなにびくつくの?」
「だから、言ってるじゃないの!あなたに見られるのが恥ずかしいのよ」
「恥ずかしいって?」
「だから、あなたの前で服を脱ぐのが恥ずかしいって……」
「嫌だって言った理由って、それなの?」
頷いた。
「それ、本気でいってるの?」
もう一度頷く。
「マジなのそれ」
もうダメ。
彼大きな声で笑ってる。
その場で崩れ落ちるように座り込む彼。
「本気で嫌われてるのかと思ったじゃないか」
「き、嫌われたくないから、見せたくありません」
「いいかい?君は、俺の奥さんだよ」
「はい」
「多少、まずいところがあっても、夫婦でどうにかするものだろう?」
「はい」
「まだ、俺のこと嫌なの?」
「い、いえ」
「ん、夫が妻を抱きたいって思うのは、そんなにいけないこと?」
そ、そんなに満点の笑顔で迫られると、何にも言えなくなる。
「心配いらないよ。
何も考えないで、
ほら、ここに。この胸においで。
大丈夫。俺に従って。
なにも怖いことはないから。
こっちに来て、奈央。
不安なんかなくなるほど、これからたくさん愛してやるから」