私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
「いや、その……新婚家庭だし、たいした用事もないから、家政婦なんて要らないと言われるかもしれないけど。すまん」彼は、さらに頭を下げる。
「ええっ、家政婦さんでしょう?
お掃除や食事のお手伝いしてくれるなら、別に反対する理由は……」
「いや。言いにくい事なんだが。
家政婦って言っても、住み込みなんだ。
うちの百貨店の前身の呉服屋が、創業して以来、家を守ってくれてた家の出の女性でね。
ずっと祖父のもとで働いてくれてたから、俺の代で断るって事が出来なかったんだ」
いい男が、しゅんとして私の前で小さくなってる。
「それで?」
「いや、その……言いにくいのだが。
そのうち、この家に住むことになると思う。
君にも仕事があるし、従業員用の部屋も別にあるから、おおかた影響はないとは思うが。
一応、耳に入れておかないと」
「何ですって!!」