私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
刺客現れる
私は、ようやく美歩に連絡を取って、彼女に会うことが出来た。
ビールの大ジョッキを飲み干して、美歩が言う。
美歩は、つやっとした黒髪の、背の高い色白な美人だ。
幼稚園で一緒になった時から、まっすぐできれいな黒髪が羨ましかった。
遅くなってしまったけど、美歩に結婚の報告をした。
彼女は、私が結婚したことには反対していないみたいだ。
別れた方がいいとか、結婚したのは間違いだったとまでは、言わなかったから。
でも、心から喜んでくれるようにも見えない。
多分、美歩は面白くないと思ってる。
「どうして、よく考えないで結婚なんかしちゃったのよ」
彼女が怒るのも最もだ。
それはそうだ。
一番の親友が、一言も相談せずに、黙って結婚したんだもの。
言われて当然だとは思ったけど、私は唇を尖らせて抗議した。
「これは、本当に特異なケースだったのよ」
私は美歩に抗議する。
だって。あの状況で断れる?
断れるほど気持ちの強い人って、日本中に何人いる?
美歩の気持ちはよくわかる。
逆の立場だったら、私だって恨み言の一つや二つは言わずにおくことはできない。
私だって、結婚なんて大事なことを、美歩に黙って決めてしまったこと深く反省してる。
こんなセリフは、美歩に言われなくとも頭の中で何度も繰り返してた。
長い付き合いだもの。
美歩だってわかってるはずだ。