私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
高陽さんに区役所まで連れて来られて、いきなり跪かれて、結婚してくださいと言われてしまった。あんなことをされて、嫌だって断れる女性はいない。
美歩は、居酒屋のお通しをつまみながら、ビールをぐいっと飲んだ。
いつ見ても飲みっぷりがいい。
「大金かあ。普通の人は関わることないもんね。
私だって数字としては毎日扱ってるけど。自分のものとして、手にしたことはないし」
美歩には言ってないが、大金を手にしたって言うのは間違いだ。
私は、高陽さんの妻にはなったものの住むとこ以外、当別変わったことはない。
美歩にもきちんと、私の置かれた立場を話した。
結婚はしたけれど、急にお金持ち人になって、何でも好きにものが買える訳ではない。
「大金を受け取ったって言われるかもしれないけど。
全然そんなことないんだって。
大きな遺産を受け継いだとしても、自分で自由に使えるわけじゃないもの」