私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
美歩は、チラッと私を見てまた豪快にジョッキを持ち上げた。

「あのねえ、飲んだり食べたりするのは安くて美味しいところがいいのよ。
ナイフやフォークで気取って食べるような店になんか行かないからね」

「うん、もちろん」その点は激しく同意する。

わかってるよ。美歩。居酒屋の良さは私も否定しないって。

どんなに生活環境が変わっても、幼稚園の砂場で友情を誓った時から美歩との関係は変わらない。

「でも、もうちょっと早く相談しなよ。バカ。
相手が変な奴だったらどうするのよ。結婚しちまったら、どうにもなんないだろうが」

酔いが回ってくると、美歩はガラの悪いお兄さんのようになる。

「ごめんね」

私は、美穂に謝った。

ずっと心配しててくれたんだろうな。

「わかればいいんだって。それで?旦那さんは?
結婚した相手はどうなの?優しくしてくれる?」

「えっと。うん。多分……」ここ何日か、会ってないけど。

優しいと言えるのだろうか?

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